○閑話・Phantom of Utpala(1/11)
青い亡霊の咄
ざあざあと耳鳴りがする。
身体がどこまでも暗闇に沈んでいく。
ごぼり、泡の音。
それに混ざって、声、が、
(…………る)
(……い……てる)
ああ、声が。
(見てください。目の色は貴方と一緒なのに、私の要素はどこにもないのよ)
(何言っているんだ。目元はお前そっくりだろう。それに――はお前にばかり似たんだから)
(目付きの悪さは貴方に似てしまいましたけどね)
(なんだと)
(ふふ。……あ、笑った。かわいい)
(ああ、本当だ)
ごぼり。肺から空気が抜けていく。
息苦しさばかりが募って。
(よく似合ってるわ)
(これをやろう。欲しがっていただろう)
(これがしたいの?いいわよ)
(大好きだぞ)
(可愛い子)
(愛してる)
愛してる。
愛してる。
大好きよ。
愛して、
愛して愛愛愛してる愛愛しアイ愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛し愛愛愛愛愛愛愛あい愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛せ愛愛愛愛愛愛アいシテる愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛哀愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛哀愛愛愛愛愛哀愛愛哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀哀
可哀想に。
かわいそう。
可、愛、そう
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