Message to you
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[ 母さん](1/1)
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僕は野球が好きだ。
今は仕事で忙しくて随分とやっていないが、昔はよく母とキャッチボールをしたものだった。
僕が母から野球を教わったのは確か小学二年のころで、毎日公園で特訓したのを覚えている。
小学三年生になると近所のクラブチームに入れてもらってますます野球が好きになった。
でも、体格がさほど良くない僕はどんどん周りの友達に抜かれていった。
中学に上がって野球部に入る頃には補欠が当たり前になっていた。
それでも母は毎回試合を見に来てくれて、僕がボール拾いでベンチから顔を出すと大声で叫んで手を振ってきたりもした。
正直あの時は少し恥ずかしかったけど今となってはいい思い出かな。
そんな母に社会人になって初めての給料でグローブを買ってやったんだ。
母の大好きな真っ赤な色をしたグローブ。
ちょっとくらい親孝行と思ってさ。
そりゃ喜んでくれたし、僕も嬉しかった。
でもそれから間もなくして、母は倒れた。
不整脈らしくって、死ぬことはないみたいだけど、運動は出来ないらしい。
医者が言うには、完治は難しいから、症状を抑えて過ごすしかないようだ。
母はせっかくグローブもらったのにごめんね、だって。
僕は何か別の趣味探しなとしか言えなかった。
そしてそれから一年半たったたった今、久々に自宅に帰ったらあの時買ったグローブが玄関の隅に置いてあった。
俺も野球やってたからわかる。
しっかりと油で手入れされて、グローブには型崩れしないようにボールが挟んであった。
捕球する部分だけ色がハゲてピンクになってたけど。
それ見て、なんか母が本当に愛おしく感じられた。
母さん、もしも体調良くなったらまた一緒にキャッチボールしようね。
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