雨の日の傘

・[君の気持ち](1/1)
男の子視点・・





-男の子視点-




そろそろ帰るか…


雨も降ってきたし。



ピアノにカバーをかけ、窓を閉めようと窓に近づく。




あれ?



あいつ……



まだ居たのか……。




ふと下を向くとあいつが居た。




こんな雨降ってんのに……


あいつ傘持ってんのか?



………
……………馬鹿だろ?



この雨だぜ?


雷まで鳴ってんじゃん。



………カバン頭に乗っけただけじゃ無理あんだろ。




「………ったく」




自分のカバンの中から紺色の折りたたみ傘を出し、自分の楽譜の角を破り




【この傘をつかえ】




…そう書いて下に傘を落とした。




あっ…



やばい……




「…いったあ…」



……見事にヒットした。



そのままあいつを見る。




するとゆっくりとこっちを向いた。




やっべ…!!



それと同時に勢いよくしゃがみ込む。



大丈夫か?あいつ・・

って俺のせいだけど…



…………………



行くか…



ゆっくりと立ち上がり、音楽室を出ようとした。




………そのとき




「…ありがとっ。」




あいつの声が遠くから聞こえた。



………クスっ




「…どーいたしまして」



小さく聞こえたあいつの声にそっと返した。




…それと



「お前の事―――。」





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