ああ異常
[002](1/8)

「チクショウ…これは罠だ。期待してた分ショックはデカいぞ…」

机に伏せたまま一が沈んでいた。まだその右手にカスタネットを持っているあたり泣かせる。

「俺達は、このまま癒やし無しで高二の一年を過ごすのか…」

癒やし、か…。一の言葉を聴いて、少し考えてみる。女子さえいれば何とかなるんだけど…


そうだ!


『なあ、一』
「何だ…?」
『僕に良い考えがある』「?…」
『今ここに癒やしが無いなら、探しに行けば良いんだ』
「なるほど。他のクラスの教室にでも行くのか?」

いやいや。他の教室に行ったくらいでは気休め程度にしかならない。もっと短時間で僕達の精神ダメージを癒やしてくれるような場所に行かないと。

例えば、天国のような。

『他のクラスより、あっちに見える楽園なんてどうだ?一』

そう言って僕が指差した先には、漣女子高校があった。




- 10 -

前n[*][#]次n
/24 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

[←戻る]