陽だまり
[日陰](1/1)
ーーー…とっ!
かい、…っ!
誰かが俺を呼んでいる。
眠たいんだ、放って置いてくれ…
俺はどうせ、もう死ぬんだから。
「快斗っ!」
パシリ。
いい音と共に、俺の頭に痛みが走った。
なんだよ、痛いなあ…
あれ?
死んだら痛みなんて感じないんじゃないのか?
「へっ?は!?」
ガバリと体を起こした。
あれ、俺確かさっきまで陽に首を締められていて…
俺、死んだんじゃないの?というか、ここ、どこ…?
「寝てる場合じゃないって!カゲが来る!見に行こうぜっ!!」
俺がいる場所は、教室だった。
どこか見覚えがあり、所々傷ついている床や落書きだらけの壁に懐かしささえ感じた。
そして俺に向かって興奮した様子で話しかけてくる、…少年。
その学ランは、中学生…か?
「お前…誰だ…?」
「はあ!?寝ぼけてんのかよっ!とにかく行くぞ!」
訳がわからぬまま手を引っ張られて教室を飛び出た。
そういえば俺たち以外、誰も教室にいなかった。どこに行ったんだろ。
単純に、そんな疑問が浮かんでいた。
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