鈍色の交錯
[光](1/19)
光side
ほんまに飛び降りれる子とは思ってない。
身近な電車に飛び込むっていう癖に飛び込めない子なんだから。
場所を変えたところでできないことができるとは思えない。
足が震えてるのも分かる。
たぶん僕なら何も考えず気合を入れる訳もなく簡単に飛び降りれるんやろうな。
簡単に手首を切れてしまう僕やから。
「篠村さん、行かへんの?」
「…行きます」
顔真っ青にして怖さでいっぱい。
そんな顔してまで死に固執しなくていいのに。
ほんまは生きたい、でも認めたくなくて死にたいと人生諦めたふりをしてる。
そんなの自分の気持ちに素直に生きたらええのに。
僕は死にたいと思ったり生きたいとおもったり、別にどっちでもいいタイプやから適当に深く考えることも無く生きてる。
篠村さんは世の中生きてくのが大変そうな子。
篠村さんがどうするのか観察。
足が震えてるのにそれでも死にたいと考える。
ほんとに強情な人。
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