不本意ですが付き合ってあげます
[どうしてこうなった](2/14)
「何?」
日誌を書く手を止めて顔を上げ、目が合う。瞳の色も綺麗な黒。見慣れているはずでもドキドキする胸は治まる気配がない。
何も言わない俺を不思議に思ったのか首を傾げる。そんな仕草も綺麗で。女子はもちろん、男に告られるのにも納得いく。
俺もこいつに惚れた一人なのだから。
「あの、さ...俺たち、付き合い長いよな。もう12年も経ってんだぞ」
「確かにね。まさか、やんちゃなお前と仲良くなるなんて思ってなかったけど」
「黒歴史掘り出してくんな」
「先に話題出したの鶴じゃん」
翔馬がくすくすと笑う。
普段感情を表に出すことは無く、クールな美人って感じに周りからは評価されているが俺の前では違う。これが幼馴染の特権というものだろうか。
けど、俺はその特権に甘えていただけだと思う。
俺はこいつが好きだ。でもこいつは俺の事をそう言った感情で見たことは無いだろう。そう、ただの....
「翔馬、好きだ」
頭の中でどう切り出すか悩みに悩んで真っ白になって告白が口走る。告った俺も驚いて、告られた翔馬も驚いた顔になっている。
こいつの返事次第で、俺達のこの後が大きく変わっていくと思うと正直すごく怖い。もうこいつの隣を歩けないのかとか話することすら拒まれるんじゃないかって。
そんな俺の思考をかき消すように、翔馬が口を開いた。
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