彼女からのラブレター
[告白されました](1/2)
例えば彼女が、世に言う"軽い女"だったら俺もきっと冗談なのだろうと思って軽くあしらうか、もしくは適当に遊んで終わりだったかもしれないけど・・・
目の前に立っている彼女は見た目も中身も"真面目"そのものって感じで、いったい俺はどうするべきなのか久しぶりに真剣に考えている、そう学校の屋上で
「・・・付き合っては、もらえませんか?」
目の前にいる女は、真っ黒な髪を二つにまとめ、制服をきっちりと着たこの学校でも有名な"幽霊"と呼ばれる人物だった
どうして"幽霊"なんて呼ばれてるかというとほとんど学校に来ない事と、その黒髪と彼女の雰囲気からだと俺は思う
いったい誰がそんな風に呼びだしたのかは知らないが、そんなことも目の前にいるこの女は知らなさそうだ
「・・・俺のこと知ってるよね?チャラくて、女遊びが激しくて、不誠実な男ってさ?」
自分で言っていて少し悲しくなるけど、嘘は言ってないし大げさにも言ってない
そんな自分を嫌だと思ったことはないけれど、そんな俺によってくる女は嫌いだと思う・・・まぁ俺が一番最低かもしんないけど
「知ってます、だけど好きなんです」
――――――知ってて告白してんの?見た目は真面目そうなのに結構軽い奴なのか?それとも真面目だからって俺を更生しようとか?ま・・・どっちでもいいけど
「ふーん・・・じゃ、付き合おうか」
どうでもいいよ、俺は好きになんかならないし・・・
高校生のくせに大分冷めてるなって思うけど、人を好きになるなんてなんか不可能な気がするし
「ほっ本当ですか?ありがとうございます!!」
目の前にいる女は、やたらと嬉しそうに笑顔で頭を下げて俺の前からいなくなった
・・・・・・名前、忘れた
なんだっけ?ゆ、ゆ、なんとか・・・駄目だ幽霊としか出てこない
まぁなんとかなるだろ・・・
「――――――さむっ」
秋も終わり冬到来のこの季節、吹きさらしの屋上で俺は彼女に告白されました
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