白と雪
[襲撃](1/5)



名前

それで連想できることはひとつ


でも

周りからの悲鳴

誰かの何かを指示する声

保護者の叫び声

走り回る音


意識が散乱する。


「雪!」


腕を掴む手

俊介。


見上げた先に
大きな翼。


……あれは

「エニル」


一緒に見下ろす。

どうして突然落ちてきたのだろう
こんなに傷だらけで


「てんし、が」


俊介の目が大きく開いた。


「サカグチユキのなまえを」



視界が一瞬歪んで

景色が変わった。

舞台裏

いつか俊介と話をした場所。


「ここにいろ」


真っ白な死神

怖い目


「どういう」

「黙って
音を立てるな」


異議を唱える前に
目の前から消えた。




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