白と雪

[接し方](1/5)

長いマフラーは頭まで覆えるから好き。

教室に入ると春香が下敷きを見せてきた。

｢じゃーん！｣
｢あ、昨日の｣

たくさんのプリクラが貼ってある。

一番下に、昨日一緒に撮ったプリクラ。

｢私も下敷きにしたら良かったな｣
｢雪はどこに貼ったの？｣
｢生徒手帳｣

途中にあるメモ欄。

佳奈とのプリクラの横に貼った。

｢俊介見て見て！
これ超盛れてるでしょ！｣

春香がはしゃいで俊介に駆け寄る。

相変わらず自らはこっちに来ないけど、来る者拒まずのスタンスで笑顔を見せてきた。

｢目でかっやばっ｣
｢可愛い？雪可愛い？｣
｢春香｣

なぜ私の名前を出す。

｢か｣
｢春香のこの服が寒そうで気になってたの｣
｢あー、確かに
どーなってんのこれ、肩出てる？生？｣
｢肩出し！｣

咄嗟の話題転換が上手くいった。
良かった。

安心する理由も焦った理由もわからないけど。

｢今度俊介も撮る？
合格祝い的な！｣

｢あー｣

一瞬

｢合格すっかなー｣

｢するでしょ！
てか縁起悪いこと言わないでよー！｣
｢リアリストだから｣
｢は？｣
｢まぁ行けたら行く的な｣
｢撮るからね！｣

俊介の目の動き。

勘違いだと思えない。

やっぱり何かあった。

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