愚かな唇で、窒息死。

3[しんぞうがえぐれるくらいに](1/13)




 本当に本当にこんなに居づらい空間ってそうないんじゃないだろうか。



 男女が数人押し込められた居酒屋の一室で、私はこの上なく悲しい気持ちで笑顔を浮かべていた。




 目の前の親友とその恋人の一挙一動に、自分の気持ちが落ちてゆくのをひたすらに感じていた。










 それは苦痛以外の何物でもない。それこそ――



しんぞうがえぐれるくらいに



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