愛しい君を殺したのは誰?
[変わってゆく君](1/6)
『おかえり、ご飯出来てるよ』

いつもの優しい奏だ。

ホッとした

着替えて、僕は食卓についた。

奏は、ご飯を用意しながら、淡々と笑顔で聞いてきたんだ。

『ねえ、隼人。今日どこに行ってたの?』

少し暗い、低い声のように聞こえる

『ど、どうして?仕事だよ』

奏の顔が、急に曇った。

どうして、嘘をつくの

『奏

『今日、私、会社に行ったの、隼人を迎えに。そしたら、今日は休みだって

会社に行ったのか!?

どうやって言い訳したらいいのか、僕にはわからなかった。

昨日、浮気を疑われたばかりの状況で

本当のことも言えないまま、僕はだんだん変わってゆく奏を、ただ見ていることしか出来なかった。

『隼人は私を大事にしてくれるって言ったよねずっと昔から、私のことをとても大事にしてくれてたのに私のこと、嫌いになったの』

地に響くような、とても低い声。

一体、どうしたって言うんだ

奏は、僕にゆっくりと歩みを寄せて来た。

ジリジリと

僕は、つい、後ずさりしてしまった。



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