座っていたあたしの手を引くと、抱きしめてきた。


さっき飛びつきたいと思っていた体に、抱きしめられて困惑してるとか、あたし、いつになくピュアかも。



「ねぇ、シャワー……」

「もう、待てねぇ」



あたしの服を脱がしにかかる彼と必死に距離を作ろうともがく。



「あ、でもほら汗かいてるし」

「どうせ今からも汗だくになるんだし同じだろ」

「……」



さっきまでの草食系男子とは違い、肉食系男子と化した彼がその攻撃をやめてはくれない。


荒々しいけど、乱暴でも強引でもない。



「外から見られてるみたい」

「見えるわけねぇよ」



そう。向かい合う高いビルがあるわけでもないから、見えるわけないんだけど。



「もう覚悟、決めろ」

「キャッ」



あっという間に彼に抱えられ、そのまま寝室へと運ばれてしまう。


そこはまた驚くほど素敵な空間で。
ふかふかのベッドの上に下ろされた。


重ねられる唇。

触れられる彼の指先。


彼に与えられる刺激と快感に、
あたしはいとも簡単に落ちた。