読みきり短編官能小説
部室での秘め事(1/3)
花子の部誌が書き終わるのを校門で待っていたのだが、いつまでたっても来ないので俺は部室に様子を見に来た。
しかし、部室をノックしても返事がない。俺はそのまま部室に入ると、花子が机の上に突っ伏して寝ている姿が目に入った。
「ったく・・・。遅いと思ったら・・・」
俺は思わずひとりごとを言っていた。そして、花子に近づくと、花子の頭をそっと撫でた。
「ん・・・太郎・・・ダメ・・・」
「・・・え!?」
「もう・・・ダメ・・・」
こいつ、一体どんな夢見てんだよって思いながら、俺はドキドキしながら頭を撫でていた手を止めて、花子の顔をのぞきこんでいた。
「・・・そんなに食べられ・・・ない、よ」
「プッ!!!」
俺は、その一言に思わず吹き出してしまった。
すると、のそのそと花子のカラダが動き、ボケ〜とした顔で俺のことをジーと見つめてきた。
「花子?」
「あれ?太郎???」
花子が手を伸ばして俺の顔をペタペタとさわってきた。寝ぼけてるのか、トロンとした瞳で見つめられた俺は、ちょっとヤバイと思った。
俺は、花子の手をつかむと、自分の方へ強く引っ張ると、花子のカラダを抱きとめた。
「いつまで寝ぼけてんだよ・・・」
「太郎?・・・んっ」
俺は、花子の唇を奪うと、激しいキスをした。静まり返った部室の中で花子の甘く色っぽい吐息とふたりの唇から漏れる水音が妙に響いていた。
「あっ・・・」
花子の足に力が入らなくなり、花子が崩れ落ちそうになる。俺は、花子の腰をつかむと、ゆっくりとその場に座り込んだ。
「花子、目覚めたか???」
そういうと、真っ赤な顔でコクコクとうなづく花子。俺は、花子の前髪をかきあげると、おでこにチュッとキスをした。
すると、花子が俺にギュッとしがみついてきた。
「部誌、書けたか?」
「あ、うん。ごめんね、いつの間にか寝ちゃってたみたいで・・・」
「や・・・別にいいけどよ。待っててもなかなか来ねぇから」
「・・・ごめんね」
抱きついたまま、上目遣いで俺のことを見つめる花子の髪をクシャッと撫でた。
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