読みきり短編官能小説


何度でもイカせてやる(1/4)


「ごめんね。遅くなって・・・」


急に後ろから声がしたかと思うと、花子が笑顔で俺の横に座った。


「おせーよ」

「ご、ごめん。走ってきたんだけど」

「プッ・・・」

「な、何?」

「頭、ボサボサ」


俺はニヤニヤ笑いながら花子の髪を撫でると、恥ずかしそうに頬を紅く染めて花子がうつむいた。


「ところで、話ってなあに?」

「ああ・・・」


俺はポケットに手を入れると、小さな箱を取り出して花子の前に差し出した。


「花子、結婚しょうぜ」

「・・・え?」

「まぁ、お前に拒否権はねえけどな」

「うん・・・嬉しい・・・」


花子は箱を受け取ると、ポロポロと涙を流し始めた。俺は花子の涙を指でぬぐうと、頭をポンポンと叩いた。


「ったくよ〜。ホラ、貸せよ・・・指にはめてやる」

「うん」


俺は花子から箱を奪うと、指輪を取り出して左手の薬指にはめた。


「・・・サイズ、ピッタリ」

「当たり前だろ。俺がお前のサイズ間違えるわけねーっての」

「うん」


気がつけば、その場には俺たちしかいなかった。
そして、俺は花子のカラダを抱きしめると、花子にキスをした。


「お前は俺の側にいればいいんだよ」

「太郎」

「花子、愛してる。ぜってー、幸せにするからな」


俺は花子にまたキスをすると、お互いのぬくもりを求め合うかのように抱き合っていた。

プロポーズしてから、バタバタと時が過ぎ、あっという間に結婚式の当日になった。


式の後は、ホテルで披露宴を行い、俺たちはそのままそのホテルに泊まることになっていた。

やっと色々なことから開放され、ホテルの部屋に入ったときには、すでに日にちが変わろうとしていた。


俺は先に風呂に入らせてもらうと、バスローブ姿のままベッドにゴロンと寝転んでいた。

しばらくすると、花子が風呂から出てきて、ベッドに腰をおろした。


「こっち来いよ」



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