泣けない子供たち
℃闇。(1/8)





気がつくとそこは保健室。


「コウキ、」
「…せんせ…」

「大丈夫か!コウキ、コウキ…」
「…」

先生はずっと俺の手を握っていてくれたようだ。


「ごめん」
引かれた。
嫌われた。


だって、俺ってめんどくさい。
こんなのと一緒にいたくないよね。



「コウ…キ…?」
「…先生、すみませんでした。ご迷惑をおかけしました」

「…コウキ…?」
「もう大丈夫です。戻ってください」

捨てられるくらいなら。
距離をおかれるくらいなら。

そんなのは悲しすぎて多分もう耐えれないから。


俺から離れようーーー。









先生は動かない。
その後ろに壁掛け時計が見えた。


時刻はすでに夕方4時。
部活のない生徒は皆下校の時間だろう。



「帰ります。ありがとうございました」
ベッドから降りて一礼する。



先生はまだ動かない。



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