泣けない子供たち
℃一緒に。(1/4)


「ねぇおばさん」
「……」
中学生からしたら22なんておばさんなのかしら……。
いや、お姉さんでしょ、どう考えてみても。

「何しに来たの?」
少年の方に目を向けると少年はすでに服を着ていた。
安堵。

「湖。湖を見に来たの」
「ふぅん。ーーきて良かった?」
あれ、意外ときれいな顔。
や、かなりきれい。整ってる。

「人の話聞いてる?おばさん」
「あんたいくつよ?」
「高一」
「中学生かと思った」
「ふーん」
「私、まだ22だから。おばさんじゃない」
「じゃ、なんていうの?」
「お姉さん」
「じゃなくて、名前」
「……ヨウコ」
「ヨウコ」
「…何よ」
いきなりの呼び捨て。
年下のくせに、なんて思うよりも前に本名を呼ばれたのが久しぶりだったせいかドキッとした。





コウキに名前を聞かれたとき、迷いながらも本名を教えたこと、
それがきっと私とコウキを繋げたんだと思うーー。

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