泣けない子供たち2
℃混乱。(1/45)


ナースステーションに行けば、俺が来ることはもう伝達済みだったようですぐに担当医が呼ばれた。


「コウキくん、」
「……はい」

一体何があったんだろう。
夕方までは元気だったのに。
元気になってきたのに。


「本当に……申し訳ない……!」
先生は深く頭を下げて。

「……何があったんですか」
俺がいない間に。
体を重ねて、まだ数時間しか経っていないのに。

「……警察にヨウコちゃんが回復したらすぐに連絡するように言われていたんだ……。そしたら、すぐに来て聴取を……止めたんだけど……いや、それは言い訳だな。連絡するべきではなかった。もっと、きちんと回復してから連絡するべきだった……」
本当に申し訳ない、とまた、深々と。


恐れていたことだった。
可能ならば聴取は俺がいるときにしてほしいと思っていた。

なのに。


ヨウコはきっと、地獄へ突き落とされた気分だっただろう。
たった一人で。
あの恐怖の夜のことを思い出して。

どんなに辛かったか……。


「……わかりました」
俺はそういうと足早にヨウコの病室へ戻った。








ガラッーー

「ヨウコ……」


ヨウコは月明かりに照らされながらベッドの上で膝を抱えていた。


左手の指輪に触れながらーーーー。






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