泣けない子供たち2
℃恐怖。(1/64)


ヨウコside


目が覚めたら私はコウキの腕の中にいた。

寝ちゃったんだ……。
コウキの匂いを堪能したら自分のベッドに戻ろうと思っていたのに。

邪魔だったかな……
コウキちゃんと寝れたかな……。


「ヨーコ……」
「あ、ごめん、起こした?」

「ん、大丈夫。おはよ」
「おはよ」

コウキは寝起きがいい。
朝から優しい。

優しく頭を撫でられて、額にキスをされて。

「ヨウコ」
「ん?」
抱き締められた腕の中でなんとか、少しだけ上を向けた。

「これから一緒に寝よっか」
「……!」

「時間ずれても、ちょっとの時間でも」
嬉しくて、なんて言ったらいいかわからなかった。

だから、ぎゅっと、しがみついた。


「俺の方が寝るの遅いから、これからは俺のベッドで寝ててね」
その方が寝入るとき寂しくないでしょ、と。


嬉しい。


「真ん中で寝てたり邪魔だったら蹴り落としてね」
私の言葉にコウキはクスクス笑って。

そしたら起きるまで寝顔見てるよ、なんて。
恥ずかしすぎる。
がんばって端で寝よう。

……寝相って訓練できるのかしら……。




「さて、起きるか……。ヨウコの今日の予定は?」
「仕事と、夜に料理教室の初日」
コウキは一瞬動きを止めて。

「お菓子くれても連絡先教えちゃだめだよ」
…………。


「……少なくとも申し込みの時点で住所も連絡先も知られてるわけだけど」
「……脱いで」
一気に不機嫌なトーン。

「は!?」
「キスマーク、身体中につけてやる」

攻防戦という名のイチャつきを終えて、お互い支度。





行ってきますまであと2時間。


あと何回キスできるかな、なんて柄にもなく考えた。



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