泣けない子供たち2
℃二人の想い。(1/7)
ヨウコside
「ヨウコ、聞いてくれる?」
わかってる。
わかってるよ、コウキ。
先生と付き合っているんでしょう?
「コウキっ!」
待って、と。
私はずるい。
コウキの話を聞きたくなくて。
「ごめん、話してくれなくて大丈夫だよ。わかってるから」
「……」
「わかってる、のに……こんな、あの、……好き、とか……言ってごめん」
「ヨウコ、」
「大丈夫!私、言わないから。先生に苦情言うとか、教育委員会に連絡するとか、そういうのもしないし、誰にも言わないから、だから……その……」
コウキを安心させてあげたいのに、語尾が弱くなってしまって。
恥ずかしいな。
コウキより7歳も年上なのに。
でも、22って、なってみれば意外と子供。
コウキの方が、大人だ。
コウキの、方が……
「コウキっ……」
好きだよ……
私は自室へ駆け出した。
こんなとき、泣けたら楽なのに。
あぁ、でも、こんなときに泣くのはずるいか。
……そんなの、部屋に飛び込んだ時点で一緒かな……。
パシッ!
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