泣けない子供たち2
℃二人の想い。(1/7)


ヨウコside

「ヨウコ、聞いてくれる?」

わかってる。
わかってるよ、コウキ。



先生と付き合っているんでしょう?



「コウキっ!」
待って、と。


私はずるい。
コウキの話を聞きたくなくて。


「ごめん、話してくれなくて大丈夫だよ。わかってるから」
「……」

「わかってる、のに……こんな、あの、……好き、とか……言ってごめん」
「ヨウコ、」


「大丈夫!私、言わないから。先生に苦情言うとか、教育委員会に連絡するとか、そういうのもしないし、誰にも言わないから、だから……その……」

コウキを安心させてあげたいのに、語尾が弱くなってしまって。



恥ずかしいな。
コウキより7歳も年上なのに。

でも、22って、なってみれば意外と子供。

コウキの方が、大人だ。



コウキの、方が……

「コウキっ……」
好きだよ……


私は自室へ駆け出した。







こんなとき、泣けたら楽なのに。

あぁ、でも、こんなときに泣くのはずるいか。

……そんなの、部屋に飛び込んだ時点で一緒かな……。





パシッ!



1前n[*]|[#]次n

/283 n


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

back