地味子ロック
地味子と地味子(1/34)
少し座れたから、
最寄りにつく頃には大分足は楽になっていた。
カエデ君もそれに気づいているのか、何も言わなかった。
「またね」
「じゃ」
駅を出て、別れた。
空は夕焼けのオレンジ色を通り過ぎた紫色。
一人になって、少しずつ笑顔が溶けていって、
顔の筋肉が疲れていることに気づいた。
笑うのって、
すごく楽しいけど、
すごくたいへんなんだ…。
頬をさすったり揉んでみたりしているうちに、家に着いた。
家族みんなで夜ご飯を食べた。
お風呂でトリートメントをした。
お風呂上がりにスキンケアをした。
ギターの練習をしたい気持ちを我慢して明日の予習をした。
早めに終わらせて、コハルちゃんのプリントの答えを作った。
勉強勉強で疲れてしまって、
夜中だったけどギターの練習をすることにした。
アンプに繋がずに、できるだけ静かに。
気づいたら3時を回っていて、慌てて寝た。
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