[−沼−](1/1)
沼。
澱んだ、絶望の暗い闇の底。
何も求めない。
全て、全てが無駄で無意味なこと。
世界は感覚でしかない。
自分とは感覚のことであり、自分とは世界である。
私が存在することは知っている。
私の体が存在するのかどうかは知らない。
あなたが存在するのかどうかは知らない。
現実というものが存在するのかどうかは知らない。
ただ、私が存在することだけは知っている。
私は、夢を見ているのですか。
私は、幻を見ているのですか。
誰か、私を救って下さい。
いや、誰も私を救うことは出来ない。
誰か、私に真実を教えて下さい。
いや、どうせあなたの話は全部嘘だ。
何故なら、あなたは私の夢の登場人物に過ぎないのだから。
私の考えていることは、本当に、私の考えていることなのでしょうか。
この絶望の沼からの声が、誰かに届いているだろうか。
届いていようといまいと、何の違いもない。
全ては感覚、何の意味もない。
ただこの濁った暗い沼の底で、ずっと…。
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