第十一章[生贄](1/15)
昨日、ビデオとレコーダーの不必要な部分を消去し準備は整った。

今日の午前中は義文の好みでは無い少し派手なスーツと伊達ではあるがメガネも購入した。

そう、主無き課長の自宅へ乗り込む為…

夕方になり課長宅に向かう…



「奥さんの名前は飯嶋美沙子…か」

「娘が翔子…」

「住所が…か…」


電車に乗ること40分、閑静な住宅街に着いた。

「あっ…ここか…」

「ピンポーン、ピンポーン…」

インターホンから女性の声が響く…

「どちら様ですか?」

義文は言葉巧みに会話する。

「あっ!こちら三宝堂の飯嶋様から依頼がありましたモニターの件で伺いました。」

「モニター?」

美沙子は何ら疑いも持たず義文を玄関先に向かい入れた。

「実はですね、今回この新製品のビデオカメラのモニターに飯嶋様からご応募があり、先程連絡しましたところ御本人様は不在なので奥様に取扱い説明をしてくれとご伝言頂きお持ちしました。」

「何か来年は娘さんの翔子様がご卒業と伺いまして…」

「是非とも撮影するんだと言われまして…」

「モニター終了後は機材一式を簡単なレポートと交換で差し上げるシステムになってますので…」



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