眠り姫に恋をする彼と私の物語
眠る彼女、恋する彼(1/13)
始まりの季節を迎え
私達はまた一つ学年が上がった。
今年は私も大学受験だ。
季節は巡り、私達は成長する。
体も心も
時間は流れるのだ。
校庭に植えられた桜も少しずつ散り始める。
校庭の一部がピンク色になっていて綺麗だな。
お昼ご飯を食べ終え教室の窓から外を見ていると、トイレから帰って来た友達の香織が私の前の席に座った。
「また告白されてたよ」
「ん?」
反射的にそう発した瞬間
誰の事かすぐ分かった。
「垣内くん」
垣内憲二。
憲ちゃんは私の幼なじみで
私の好きな人。
誰も知らない。
香織も、憲ちゃんも。
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