もう、何もかも全部。
     偽りと虚飾の忠誠 ( 1 /6)







今は冬。







雪のちらつく寒い冬。







凍えそうな程に寒い冬。












まだ夕方だというのに辺りは真っ暗。







黒いマフラーに顔を埋める。












帰路。










街灯は不気味に点滅を繰り返す。





















学校周辺はいつも綺麗に清掃・整備されている。











しかしここは違う。












少し学校から離れただけで全く別世界。















異様である。















一体、どちらが?












いつでも美しい景観を保つ金持ちの街と、



いつも薄暗く汚い庶民の町。












どちらが異様なのだろうか。













僕にはわからない。








わからなくてもいい。









そんなこと、









どうだっていい。





















ポケットの中に入れている手。










その中には血のついたナイフ。












それを握り締め、アパートを目指す。










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