××なあたしと、黒いオオカミ



棊~しいモノは(1/12)











萌奈と俺は同じ時期に同じ病院で生まれた。

記憶に残るずっと前から一緒にいたせいか、萌奈といるのが当たり前になっていたんだ。


小学生に上がる時

近所に理人が引っ越してきた。

そこからは俺と萌奈、理人の三人でいることが多くなって、

井上と友達になって、

気がついたら中学生になってた。





時間なんてあっという間に過ぎて、14年も経っていたんだ。

この14年で変わったことなんて

萌奈と大差のなかった身長が知らないうちに俺の方が高くなってたこと



俺が………萌奈を好きだって自覚したこと。


そのくらいだった。




好きだってわかったところで

今さら態度を変えたり、気持ちを行動に移したり

そんなことできる勇気もなくて


ただ側にいて、いつかこの気持ちを伝えられたら良いと思ってたんだ。








「晴樹………聞いて」



だけど



「なに?」



運命とでも言うのだろうか










「私…引っ越すことになりそう」








それは俺の気持ちなんて考えず、




簡単に引き裂こうとするんだ。















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ちょっと休憩***

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