となりの××事情【完】
eros.04 増えるのは謎ばかり(1/15)
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中間考査も無事に終わった、その週の休日。
がんばったご褒美、ということでデパートに買い物に行こうと思い立った。
私だって一応女子なわけで、化粧品や服を見たり、おしゃれをしたりすることにはそこそこ興味がある。
ただ遊びに行かないので、それを誰かに見せる機会はあまりない。
いつものくせで一瞬メガネに手をかけたけど、学校に行くわけではないのでメガネが必要ないことに気がついて、癖って怖いなあと思いながら家を出た。
一通り店をまわって、お昼時になったのでフードコートで昼食を食べる。
お恥ずかしながら、私は食欲が非常にすごい。
人目を気にしながらも、うどんとハンバーガーとドーナツを購入して、あらかじめ取っておいた席に座った。
ところまではよかった。
無心でうどんをちゅるちゅるすすっていると、視界に瀬戸朝日の姿が入ってきて、危うく鼻からうどんが出そうになる。
彼は私に負けず劣らず、ラーメンとオムライスとポテトという豪快な組み合わせのものを食べていた。
な、なんてことだ。
席を変えようと早急に立ち上がったら、少し先にいる瀬戸朝日と視界が絡まる。
時が止まった気がした。
あ、会いたくなかった。見られたくなかった。終わった。
明日から大食いのレッテルが貼られる。いや事実そうなのだけど。
でもとりあえずあいさつだけはしておいた方がいいよね、と思いぺこっとお辞儀をする。
瀬戸朝日は、ふいっと私から目線を外した。
……えっ。
え。
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