となりの××事情【完】

eros.02 もしかしたら、もしかする(1/14)








私は地味だが、友達がいないわけではない。



「ねえ麻生くん、女子のパンツ見たいって思ったことある?」



私の貴重な友達の一人、麻生(あそう)くんに質問してみる。

麻生くんとは同じ中学校で、とは言っても中学の時はまったく関わりなかったんだけど、高校で再会してなんとなく喋るようになった。


しかも偶然なことに二人とも図書委員だ。

そして今まさしく、その当番中なのである。



「なに、いきなり」

「引かないでよ真面目に聞いてるんだから」

「……いや、まぁ、それなりに見たいと思うでしょ」

「………」

「引くなよ!引くなよ木下さん!」



麻生くんは、私みたいな地味ってわけじゃないんだけど、昔からどこかパッとしなくて、ちょっと頼りなさそうな。

なんていうか、男の子って感じのしない男の子で。


そんな人でも、そういうことは思うらしい。人を見た目で判断しちゃいけないな。



「そっか……。麻生くんにも性欲ってもんがあったんだね」

「俺を何だと思ってるの?」

「……うーん」

「考えても出てこないって悲しいからもう考えなくていいよ」



悲しそうな麻生くん。

うん。ごめんね。





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