あいつはあの子のことが好き。

18[>[最終話 修side](1/1)



-修side-


「うわ、草生えてんなぁ」


目の前の墓は唯の墓


別に今日は命日ではない




ただ、急に唯が恋しくなったから




──────あれから、3年


長いようで短いようで



「おい、もう3年だぞ」


草をむしりながら俺は語りかけた


声なんて聞こえないはずだけど、俺は続ける


唯への気持ちは変わっていない



そりゃ、美紗ちゃんは本気だった


でもそれは唯と重ねてしまっているから





長く生えた周りの雑草を抜き、綺麗に墓を洗うと俺は、静かに墓の前で手を合わせた




唯、天国で幸せに暮らしてるか?



俺は、まだまだ先そっちに行けないけど





また会えたら



今度こそいっぱいの




“大好き”と“ありがとう”を言うから



今度こそ幸せするから




待ってろ




−修side−



その時、強い風が吹いた




『焦らず、待ってる』



優しい風が頬をかすった




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