霧島歩夢くんの取材許可が貰えた翌日、取材先のスタジオに入る。
今日から、本当の取材がスタートすると思うと
俄然気合いが入った。
「おはようございますー」
「おはようございますー」
つか、朝でもないのにおはようとか・・・まだ慣れないこの業界。
「あっ!椎名さん!こんにちはー!また会えましたね」
スタジオに足を踏み入れると、向こうから遼くんがニコニコしながら走ってきた。
ぷぷっ、業界に染まってない人がここにもいた。
「こんにちは、」
「てか、昨日は椎名さん凄かったらしいですね。霧島歩夢に怒鳴ったりして。
俺も見てみたかったです」
目を輝かせ、興味津々に話す遼くんに 苦笑いで返す。
「ああ、あれはねーはははは」
忘れていた昨日の醜態が甦り、笑うしかない。
まぁ、そのおかげて取材取れたからヨシとするか。
「ところで、蒼空の事なんですけど・・・」
?
急に真剣な表情になる遼くんに、少し不安を覚える。
「蒼空は、こないだまで病院に通ってて・・・」
そこまで言うと、
「バイトーー!!何休んでんだー!」
向こうから怒号が飛んでくる。
「ごめんなさい!また今度!」
焦りながら遼くんは怒鳴ってる人の方に行ってしまった。
蒼空くん、病院て・・・?
どこか体が悪かったのかな?