ハイヒール
[中学生](2/3)
小学六年生になる頃、私は孤児院を追い出された。
些細なことで暴力沙汰を起こしてしまったからだ。
孤児院の優しさが私にとっては苦痛だった。
孤児院の優しさはやがて裏切りへと変わる気がしていたし、大人に優しい言葉をかけられるとゾッとしたのだ。
小さな謎の鬱憤が溜まっていった。そして頭を抱えて涙を流すことでしか消化出来ない鬱憤は形になって現れた。
裏切られるのが怖かった。
信じなければ裏切られる心配は無かった。
そんな当たり前を繰り返して私が出来上がった。
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