妖魔の時間

[暴走](1/13)

岩裂side



晴明が夢殿に落ちる少し前、晴明の部屋は岩裂によって結界が張られた。



それは、同じ時に襲われた瑠衣たちにも察知できないほどの結界で、同時にこの空間がそのまま投影されるようになっていた。



岩裂が張ったのは二枚2種の結界。



1枚は晴明の周りに、その空間だけを閉じ込めるもの。



もう一枚はある意味保険で晴明の部屋全体を覆い、外になんの問題もない晴明の部屋を感知させるもの。



つまり、この結界内にいない限り晴明はただ眠っているようにしか感じられないようになっている。



眠りについた晴明はその事を知らず、十二神将も今日は何故かいなかった。



【………呑まれてくれるな】



眠る晴明を見つめながら、岩裂は小さくつぶやいた。



今ここで起こることは私以外にはわからない。



だからといって安心するなよ。



私は正直、今のままでは抑え切れる自信はない。



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