妖魔の時間

[修行2](1/16)

太陰side



瑠衣の一人練習を見張るように言われ、太陰と天一は屋根の上にいた。



【あ、白虎起きたみたい】



天一に言われて初めて白虎の神気が移動してることに気がつく。



晴明の部屋に向かってる………。



本当なら行きたいけど、行ったら行ったでまた文句言われそうなのよね。



瑠衣を見ると、



ボン!!



集中を途切れたせいか、札から煙が出ていた。



「きゃあ!」



さっきから何回失敗すれば気が済むわけ?



太陰は内心イライラしていた。



あれだけのことを言うから実力もあるんだと思えば……。



たったのこれだけで集中が切れるなんて!



晴明じゃ絶対ないのに!!



【落ち着いて、太陰。私たちは晴明様に任されたのよ】



【わかってるわよ。でも、ムカつくんだもん】



瑠衣が敵なら、晴明が認めないなら今すぐ風で遠くまで吹き飛ばしてやるのに。



太陰は唇を噛む。



以前貴船に行った帰り、晴明は言ったのだ。



「あれには素質がある。やる気さえあればきっと直ぐに覚えきるだろう」



だから今はまだ見ておけ、と。



遠まわしに余計なことはするな、と言われたようなものだった。



- 100 -

前n[*][#]次n
/983 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

[←戻る]