[修行2](1/16)
太陰side
瑠衣の一人練習を見張るように言われ、太陰と天一は屋根の上にいた。
【あ、白虎起きたみたい】
天一に言われて初めて白虎の神気が移動してることに気がつく。
晴明の部屋に向かってる………。
本当なら行きたいけど、行ったら行ったでまた文句言われそうなのよね。
瑠衣を見ると、
ボン!!
集中を途切れたせいか、札から煙が出ていた。
「きゃあ!」
さっきから何回失敗すれば気が済むわけ?
太陰は内心イライラしていた。
あれだけのことを言うから実力もあるんだと思えば……。
たったのこれだけで集中が切れるなんて!
晴明じゃ絶対ないのに!!
【落ち着いて、太陰。私たちは晴明様に任されたのよ】
【わかってるわよ。でも、ムカつくんだもん】
瑠衣が敵なら、晴明が認めないなら今すぐ風で遠くまで吹き飛ばしてやるのに。
太陰は唇を噛む。
以前貴船に行った帰り、晴明は言ったのだ。
「あれには素質がある。やる気さえあればきっと直ぐに覚えきるだろう」
だから今はまだ見ておけ、と。
遠まわしに余計なことはするな、と言われたようなものだった。
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