[修行](1/23)
晴明side
【さぁ、さっそく修行をはじめるぞ】
瑠衣の修行が今、始まろうとしていた。
どこか生き生きしているようにも見える白虎。
しかし、どう教えるつもりなのか。
白虎は一つの円を描き、瑠衣に召喚の仕方を教えている。
呪文も抜きでいきなり名前だけどは……。
かなり瑠衣の腕を買っているな。
《あれで召喚できたらビックリするじゃない!》
《我も同感だ》
太陰と玄武の声が聞こえた。
天空と太裳以外は隠形してここにいる。
あの二人は異界からこちらを覗いているのだろう。
「……!」
《晴明》
玄武も気づいたようだ。
あたりに広がる微弱な妖気。
瑠衣と白虎は修行に夢中のためか気づかない。
《私が行ってこようか?》
「いや、お前たちはここであれを見定めよ」
そして、喚ぶまで来るな。
《………わかった》
太陰の落胆した声が耳に痛いが、晴明はその場を離れ妖気を放つ元へ急いだ。
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