地の果ての庭

第一部 文化祭。


日曜日をこれまたダラーっと過ごすと、あっという間に月曜日がやってくる。
それは自明のことであり、また誰もが経験したことのあること。少なくともあたしはそう思っている。

「おはよう、リア」
「おはよ、アリーナ!」

いつも通りの、アリーナとの玄関先での待ち合わせ。
憂鬱な月曜日の朝、といえども、親友の顔をみれば、多少なりとも暗い気持ちは吹っ飛ぶものだ。

「リア、アリーナ、おはよ」

そんなあたしたちに声をかけてきたのは、向こうの方から歩いてきたソラ。

「ああ、おはよ」
「ちわーっす」

うーん、どういうわけか、このゆるい顔を見ても、どうも気分は上がらない。

「何で俺の扱い雑なの!?」

「気のせい気のせい」
「被害妄想もいいとこよ」

ところで、とアリーナは話を続ける。

「そういえば今日は第一月曜日だから、集会がある日よね?」
「そうだっけ?」

「学校の案内に書いてあったじゃない。よく読みなさいよ」

このあたしが、そんな細かいところまで目を通しているはずがない。

「ほーい、気をつける」

集会かぁ……正直、それだけで気は滅入ってしまう。

だって、集会といえば朝から整列して、姿勢を正せとかなんとか言われて、長ったらしい校長やら先生やらの話を聞くというような悪いイメージしかない。
「静かになるまで何分かかりましたー」的なやつ。

あれ、それは防災訓練の時だっけ。どっちでもいいや。

やはりそのイメージ通りのものなのか、

「集会かぁ……」

ソラもどこか憂鬱なようだ。

学校に着いて、教室に荷物を置いたら、人の流れに乗る。
しばらく周りに合わせて歩き続けていると、目前に、とても大きなドーム上の屋根のついた建物が現れた。生徒たちはその建物に吸い込まれて行く。

「これが体育館か」
「大きいわね」

ちなみにアリーナは偶然にも隣のクラスで、それはつまりソラと同クラス。
しかし、ソラもナタネもアランも見つからないので、なんとなく落ち合って今一緒に来ている由縁である。

てか、ソラは登校してくるところまでは一緒だったはずなのに、一体全体どこへ消えて行ったのだろうか。


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