地の果ての庭

第一部 親友、新友、心友。





次の日学校に着くと、あっという間にあたしの周りには人だかりが出来ていた。

「ローレル村の話をしてよ!」
「兄弟姉妹は?」

はてさて、そんなに転校生、というものは珍しいのだろうか。
ローレルもそこまで珍しいのだろうか。

自分が生まれ育った土地で、むしろそれまで外に出たことがないあたしからすれば、それはあまりにも遠い感覚だ。
隣町なので、ローレルからこちらに越してくる人はまあまあいるはずなんだけれどなぁ……。

「いや、だってさぁ、そんな親と離れて一人旅出来るなんて、羨ましいー!」
「いや、旅ってほどのもんじゃ、」

「うんうん! そんな変わった掟を持つ村なんて他にないし、それにローレル村の人口って少ないから、出身の人とは中々会えないから、嬉しい!」

そういうものなのかなぁ……。

そこでふと、昨日のことを思い出す。
そういえば組織の人にはそんなこと聞かれなかったなぁ。

多分あたしがあの村出身ってことも知っていたはずだけれど。
彼らは彼らであたしなんかよりもっと特殊な環境に置かれているわけだから、ローレルくらいじゃ驚かないのかもしれない。

「あ、次教室移動じゃん」
「げっ、めんどくさぁー」

そんなことを話しているアランとナタネには助ける気がまるでないみたいだ。

「ああ、リア、移動教室一緒に行こー!」

今更気がついた! というあからさまな態度で、群衆の中からあたしを引っ張り出すナタネ。
願わくば、もうちょっと早く救い出して欲しかったな、なんて思いながも、一応心の中で手を合わせた。

次の授業に必要なものを揃えて、三人で廊下に出てから、ナタネがこっそりとあたしにこう言った。

「リア、何だか色々珍しいっぽいから大変だね。あたしが転校してきた時はあんなに騒がれなかったよー」

……それはどういう反応をすれば良いんですか。
良かったね、と言いたいところだけれど、それはそれで失礼にあたる気がする。

つか、そっか。
昨日のソラの話だとレオンハルトさん以外は皆、この街の外から引っ越して来た、という感じだったな。





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