地の果ての庭

第一部 新生活。




◆◆◆


街灯の光が、一人の男の姿を照らし出す。
彼は一人で歩いているにも関わらず、何故かいつになくピリピリとした面持ち。

まるで誰かと重大な内容について電話をしているかのような雰囲気を醸し出していた。

『間違いない。あの高度な技術、それからこの能力者の察知能力……
やっぱり“あいつら”が関わっているとしか……今回のリアちゃんの一件ではっきりしたよ』

「そのこと、リアに話したけど、良かったんだよね? 
いつかは話さなきゃいけなかったんだから」

『まあな。何だかじきに来る気がするんだよ、何かが……』

「そうか。こっちも早いとこ、準備しなきゃな……」

『ああ』

夜道で音を立てずに進む会話は、彼ら以外の誰にも、聞かれることはない――


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