ホテルのドアを開けたら先生がいました。
09. 喪失(1/9)
まったく変な話だが
先生が律儀に一週間に二回ほど来ることは既にわたしの中では当たり前のこととなっていた。
それが、先生がはじめてこの一週間、一度もわたしのことを買ってくれなかった。
そして、次の週、真ん中あたりになっても先生は現れなかった。
学校に行くと最初のうちは授業で会うものの
わたしの目は一切見ない。
次の週になると、授業が振替で数学じゃなくなり
先生は学校にすら来なくなった。
学校にこない、これは最早異常事態である。
何か先生に起こっているに違いない。
淋しさ、不安、心配、、様々な感情にわたしは振り回されていた。
振替の授業の担当の先生は
香山先生は体調不良という。
体調不良、なのかな。
風邪でもひいたのかな?
それとも…
嫌な予感で頭はいっぱいだ。
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