あなたの温度
[6.光](1/10)
その後家に帰り、両親と学校について話をした。
ナギサの読み通りだが…
もし、両親が許してくれるのなら、あたしは学校に行きたい。
だが、今の学校には戻れる気がしない。だから転校って事になるが。
あたしが学校に行きたい理由は…ヒロトの事もあって、中学からまともに学校生活を楽しめていないから、普通の学校生活を送ってみたい事。
今ならヒロトはあたしが友達を作っても前みたいに排除しないと感じている…。
あとは、将来の事を考えた時…この病気を克服し、あたしは塚田のような職業につきたいな、と感じ始めていた。
医師にはなれずとも、カウンセリングでも良い…。
それには、学校を、大学まで出る必要があると考えた。
ヒロトも共に聞いていて、十八になったら籍を入れるという話をしていた彼は少し淋しそうだったが、あたしが何かをしたい、と言うその前向きな姿勢を後押ししたいと言ってくれた。
「ヒロトが十八じゃなくて、あたしが高校卒業した時点で籍を入れるのも有りかな…大学には結婚してたって行けるし。」
あたしがそう言ったら、ヒロトは笑った。
「亜希が大学卒業するまで待てるから。我儘は言わねぇよ。ずっと一緒にいんのには変わりねぇんだ…。俺はもう大丈夫だから、普通に友達作って、普通に高校生活送って、大学生活送りな。」
そう言って、あたしの頭を撫でた。
両親は、既にあたしが転校するかも…と考えて色々学校の資料を取り寄せてくれていた。
「亜希が将来まで考えて、父さん達に話してくれて、嬉しいよ。高校、いち早く転校して、新たなスタート切ろう。休んでいた分一学年遅れになるだろうけど…。」
父さんがそう言ってくれて、あたしは転校する事になった。
しかし色々考えて、あと半年で一年生が終わるが、あたしは結局ほとんど学校へ行けなかったから進級出来ない。
だから一年生をやり直すべくたくさん勉強して四月からの転入テストに受かり、あたしは底辺校から、進学校に転校が決まった。
四月から、転入ではあるが新一年生として入学する形だ。
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