『テープ』
リ[ドア](1/1)

高級住宅街





静かで落ち着いた品のある空気流れる街





そして


その一角




「おい!!黒木!!」
「おるのは分かっとるぞ!!オラッ!!」
「開けろッ!マジで!」



「こ、殺すぞッ!お前…!」


品格0の罵声を吐きながら高級なドアを叩き、蹴り、インターホンを連打する男、佐田。


「さ、佐田さん、やばいって…」

そんな佐田に引きまくっている赤井。



静かな街に佐田の罵声とインターホンが響き渡っている。




「だぁかぁらぁ〜…テープを返せよ!!!」



返答のないスピーカー



「お前しかおらんねん!…返してくれたら、もういいからさ…」



返答のない機械



「頼むからあ…」



涙声になる佐田の背中は丸くなっていく


そんな佐田の背中見つめて赤井、
「…佐田さん、また来ましょ、また来れば」



「返さないと」



「はい?」


「返さないと…テープ返さないと…」


「で、でも佐田さんはもう辞めたんだし、もう」

「…みんな困るから」


まあ確かにそうだけど…
「佐田さん、まだ…」



佐田は赤井に顔を向ける。
弱々しい佐田の表情。

「す、すんません」
とっさ謝る赤井













ガチャ



ドアの開く音




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