妄想炸裂ラバーズ【BL・R18】

★3・ダブルデート(1/58)




◆◆第三章 ダブルデート



◆side 滝川



目覚ましが鳴るより三十分も早く目が覚めてしまった。


でもあんまり早く電話しても悪いし……。


僕は新しい携帯電話を何度も開けたり閉めたりして、

高遠に電話する時間を待った。


ようやく約束した時間になって、

ドキドキしながら通話ボタンを押す。


何度かコール音がして、寝ぼけた声の高遠が出た。



「お、おはよう……高遠……」



「お、おおおおおは……よぅぉぉぉ、

滝……川ぁぁ……!」



叫びたいのに力が入らない、みたいな

寝起きの声が聞こえてくる。


……かわいい……。



「滝川ぁぁ……好き……だー……」



「えっ、う、うん……」



高遠はどうしてこんなに素直に言えるんだろう。


言ってくれるんだろう。


嬉しい。


朝から早速幸せな気分になって、

顔が赤くなってしまう。



「高遠……ぼ、僕も……す……、好……、………、………」



あぁ、もう!


どうして僕の口は思うように動かないんだろう!


妄想の中ではちゃんと『好き』って言えるのに……。



「うぉー! また鼻血出た! 

ティッシュティッシュ! 

わりぃ! そのあとは勝手に解釈しとくから! 

あとで直接会って答え教えて!」



マンションの下まで来たら、また電話して、

と言う高遠に返事をして電話を切る。


高遠……鼻血出やすい体質なのかなぁ。


大丈夫かなぁ。


あ、荷物の中にちゃんとティッシュ入れておこう。




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