★2・ケータイ(1/31)
◆side 滝川
「……ぅ〜……」
なんか……ムカムカする……。
昨日、何か古いものでも食べたっけ……?
う〜ん……昨日って、何曜日だっけ?
昨日はゼミがあったから金曜日……?
……で、ゼミのあと、高遠と飲みに行って……。
告白されて、キスして……って、これは夢だから……。
そうか、今日が金曜日か。
1限……何だっけ……。
はぁ……いい夢だったなぁ。
でも、今日、高遠と顔会わせたくないなぁ。
思い出して、変な顔になっちゃったらどうしよう。
いきなり顔を赤くなんかしたら、
気持ち悪い奴だと思われてしまいそうだ。
……でも……思い出すだけでドキドキする。
夢は目覚めたら忘れちゃうって言うけど。
覚えてて良かったなぁ。
妙に鮮明だし。
って、いつまでも夢思い出して浸ってないで、
そろそろ起きないと遅刻するな……。
──目を開けたら夢を忘れてしまいそうで、
なかなか開けられなかったけど。
いい夢見たから学校さぼります、なんて駄目だし。
仕方なく、夢を壊さないように、とそっと目を開ける。
「…………」
うちの天井、こんなに白かったっけ……?
なんか、安っぽいベニヤだったような。
しかも、こんなに天井広くない。
うちのアパートは6畳。
この天井、どう見ても倍近くある。
「……え……? こ、ここどこっ!?」
掛けられていた軽い羽根布団を剥いで、
ガバッと起き上がった。
そして隣に眠る人物の存在に気が付く。
「たっ、高遠!?」
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