もしも"死神"だったら。


禁忌 ( 1/6 )








「 こんな遅くに何処へ出掛けた 」


帰ってくると案の定、この家の主が腕を組んで仁王立ちしていた。


「 もじぃ、寝なあかんて。体調悪くすんねんから 」

「 質問に答えなさい 」

「 星を見に行ってた 」

「 嘘を言うな、何故星を見ただけのやつがそんな普通にしててもしないような怪我をするんだ 」

「 今日は綺麗なのが多すぎるから汚い星が一個増えたら邪魔やねん 」


綺麗な星達の中に入ってく隙はないねん。と続けるともじぃは黙って拳を握りしめてしまった。


「 来なさい 」

「 説教とか嫌や…っでー!? 」


まだ血がドクドクと流れているかもしれない太ももを思いっきりしばかれた。


「 病院にも行かんくせに、こんな大怪我してきおって。ほら、此処に足を置け 」


サっと引き出した椅子を乱暴に叩いた。そのしかめっ面の言う通りに椅子の上に足を置くと黙々と手当てをし始めた。


「 もじぃ、明日晩ごはん何がいい 」

「 …… 」

「 ハンバーグにしたろか。めっちゃ上手い言うてくれたやんな 」

「 …… 」

「 あ、ハンバーグの気分じゃない?ほんなら魚焼いたろか 」

「 …… 」


もじぃがこんなに話をしてくれないのは初めてだった。当たり前だ、あんな禁忌を犯しておいて…








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