みんなのうた。ー彼らのうたー
歇見え隠れする闇](1/10)
 

「‥全く‥‥イキナリ何なの?
見ての通り‥今家族で食事中なの。

‥蓮くんや翔平くんともあろう子たちが‥‥
はしたないわよ?」



持っていたナイフとフォークをお皿にカチャリと置き、上品そうにナプキンで口を拭いながらおばさんが言った。


‥カナリ機嫌悪そうに。




「すみません‥」

「すみません、おば様」


と速攻でペコリと謝る蓮と翔平。


さすが、良いとこの坊ちゃま‥

行儀がなってる。

改めて、2人を尊敬した。



そんな2人の態度を見たおばさんはニコッと笑顔になり


「‥まぁいいわ。
あなた達は、悠クンの大切なお友達だものね?
良かったら座って?」


そう言って手のひらで椅子を促し、手慣れた様子でウェイターを呼ぶと、
2人分のワインを運ばせてきた。



「ほら、座って?」


笑顔で再度促すおばさん。



「すみません‥‥」

「でも‥乃愛の分が‥」


チラッと2人と目が合った私。



えっ!

いいよいいよっ!
私に席なんていらないからっ!


そんな事を考えてると




「‥あら、あなたいたの?
気付かなかったわ」



「‥‥!」




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