みんなのうた。ー彼らのうたー
歇悠のココロ](1/7)
※ここから一章分
***悠side***です‥
「なぁ、今日こそは体大丈夫なのか?」
俺は立ったまま、ベッドで横になる母さんに話し掛けた
「えぇ‥
悠くんがこうしてこの家にいてくれるから、だんだんとマシになってきたわ?」
嬉しそうに微笑んでるけど‥
ワザとらしい演技だな。
ワザとらしく弱ったフリをして
ワザとらしく俺に甘える。
実の親子ながら‥
"女"という存在にイライラする。
「‥俺、今から仕事だから‥」
「えっ!悠くん行っちゃうの!?」
母さんが何か言いながら泣き出したみたいだったけど、俺は正直もう
うんざりだった
ここに帰ってきてから
もうすぐ1ヶ月
もう限界。
母さんのワガママには
もう、昔から
うんざりだった。
パタンと両親の寝室のドアを閉め、俺は昔の事を思い出しながら歩き出していた‥──
──俺と 匠は
全く仲の良くない兄弟だった。
小さい頃から仲良くなくて
第一俺は、匠が双子の弟だってコトを知らなかった。
母さんが、俺たちが1歳になったその日に
匠をイギリスへ預けたから。
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