隣人問題
☆[第五話](1/1)
米元さん
結局、話し合いは平行線を辿り、喜久美の「この協議は有害無益!」の言葉を最後に幕を下ろした。

その後も相変わらずの金田家に対し、米元は問題を町内会へ持って行き、解決を図った。
「町内会の名の下に、金田家の生ゴミ処理機開発とブン投げゴミ出しの即刻停止を!」と米元は提案したが、副会長の網代と理事の中島が「もう少し話し合いを」と異を唱え、強制力のない[非難決議]を出すに留まった。

一向に進展を見せない状況に痺れを切らした眞紀子は、再び米元に電話で相談した。
「ねぇ会長さん、前みたく町内会の決定に関係なく何とかできないの?」
眞紀子の言う「前みたく」とは、以前町内に2軒あったガソリンスタンドの価格競争についての対応の事である。


加熱する競争に歯止めを掛けようと、町内会で話し合いがもたれたが、商売の事だから介入しないという決定がなされた。
ところが、一方のガソリンスタンドと個人的に価格の取引をした米元は、町内会の決定を無視して、もう一方のガソリンスタンドに執拗な嫌がらせを続け、遂に撤退させたのである。

「日村さん、私も今回の件は本当に心配しているよ。大丈夫、町内の事はこの私に任せておきなさい。ちゃんと解決させるからね」
そう言って受話器を置いた米元は軽く舌打ちをすると、
「ったく…こんな1$にもならねぇ事に手を焼かせやがって…」と呟いたのだった。

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