見てはいけないあとがき

[影揺れる夕暮れ](1/5)



「それじゃあ、私は帰るけど、しっかり話聞いておいてくださいね」




柚希さんはこれからバイオリンのレッスンがあるそうで、森双葉との約束には僕と九条さんの2人で行くことになった。





「柚希、気をつけろよ。火の元は言うまでもないが、場合によっちゃあガソリンかぶったおっさんが抱きついてくるかもしれん」




「ははは。なんですかそれ。九条さんこそ、不用意に窓際に寄ったらズドン、と殺られますよ」




「どこの戦場なんだよ、ここは。」







いつのまにかすっかり柚希さんの顔色は良くなっていた。


2人とも、この状況でこんな風に冗談が言えるなんてすごいな。





「冗談もいいですけど、ほんとに気を付けてくださいよ、柚希さん」



「うん、ありがとう。十分注意するよ。指導しなきゃいけない後輩がいるうちは死ねないからね」





そういうと、柚希さんは僕らにウィンクして司書室を出て行った。



「さてと。俺らもそろそろ行くか」


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