見てはいけないあとがき

[会議は踊る](1/9)


「悪いな、急に集まってもらって。」



文芸部部室。


部長の九条さんから緊急の招集をかけられた僕――星宮 零(ほしみや れい)は、部室というには粗末な、司書室の一角に設けられた狭いスペースにいた。

スペースは狭いけど、今や3人になってしまった文芸部には十分な広さだ。





「それで、杵島さんは……」



九条さんは軽く目を瞑って首を横に振る。



1年生の僕にとっては初めてだったけど、部員が死ぬのは今年に入って2人目らしい。


おまけに部外も入れると、この数日で3人の生徒が立て続けに命を落としている。
僕らの表情が曇るのも無理はなかった。




「警察は事故ってことで片づけたようだ。だけど、俺は事故じゃないと思ってる」



昨日の夕方、杵島さんは地下鉄のホームから転落し、電車に撥ねられて死んだ。


直前まで携帯を見ていたことが、事故と扱う決め手になったそうだ。

不注意で落ちた、という筋書きらしい。




「静人の奴、直前に俺のところに電話してきたんだ。命が危ない、ってな」



「命が危ない?誰かに恨みでも買ってたんですか?」



質問を返したのは白鳥 柚希(しらとり ゆずき)。

いつもクールな2年女子の先輩だ。


杵島さんは優しかったけど、柚希さんは下級生の僕に結構厳しい。




「そういうわけでもなさそうなんだけどな…。今日はその話を聞いてもらうために、おまえらに来てもらったんだ」


- 33 -

前n[*][#]次n
/75 n

⇒しおり挿入


⇒作品レビュー
⇒モバスペBook

[編集]

[BACK]