三十路の私と二十代の僕。
◆僕の好きな人(78/78)



ゆっくり寝正月、でもいんだけど、一人で家に居ても退屈で外に出る事にした。

最初はカフェでコーヒーをテイクアウトし、近所を散歩してたけど、その後電車に乗り通い慣れた渋谷で足を下ろす。

年明け二日目でも渋谷の街は騒がしい。

初めて真由香ちゃんに会った時、彼女か座っていた場所に俺も腰を下ろし、スクランブル交差点を眺めた。


俺達の始まりの場所。


いや、まだ何も始まってない。


またここからスタートだ。


暫くそうしてから街に繰り出た。

福袋やらセールやらでショップの前は若い女の子達でごった返す。



(アパレル系は大変だなぁ)



何て思いながら特に行く宛てもなくフラフラしてると、目に留まったガラス張りのショップ。

今まで無縁だった店。



(………)



ずっと考えてた。


何て言えば伝わるのか。


どう言ったら年下の俺の言葉を信じてもらえるのか。



この気持ちを形にするなら



これが一番伝わるのかな









「ただいまー」


夜になると真由香ちゃんが帰宅し、リビングに入ってくる。


「お帰り!」


二人になるのはかなり久し振りだ。

まだ少しぎこちないけど、真由香ちゃんは俺を見て微笑む。

明日まで帰って来ないと思ってたけど、真由香ちゃんは帰って来てくれた。

俺が居ると分かっていながら。

高鳴る胸を深呼吸をして抑える。


「コーヒー淹れよっか。ハルも飲む?」

「真由香ちゃん」


先伸ばしにしてもしょうがないし。


緊張よりも


今直ぐに伝えたい気持ちが大きくて


小さな箱を握り締め、何?と俺を見つめる彼女の前に立った。







「真由香ちゃん」





「結婚を前提に、俺と付き合って下さい」






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