水面に映る月
2[出逢い](1/3)

人里から少し離れた森に、その家は建っていた。
家の裏の方には大きな崖があり、少し離れた所には川が流れていた。そして庭の畑には様々な種類の食べ物がなっていた。


チュンチュン

朝の日差しをあびた家の窓が一つ、音をたてて開いた。

「んー、今日もいい天気!えーと、今日は何かやることあったかな…あ、薬が切れそうって言ってたっけ。じゃあ薬草を採りに行かなきゃ。」

この町で彼女のことを知らない人はいないという程、彼女の薬は人気だった。治りも早くなり、どんな病気も治せると人々の間で噂が広まり、彼女の薬を貰おうと隣町からやってくる人もいるくらいだ。


やがて朝食を終え、家から少し離れた所にある薬草を採るため彼女は家を出た。

「いってきまーす」
家に誰もいなくても、癖みたいなものなのでどうしても言ってしまう。



ワサワサワサ

「こんなもんかな。」

薬草をいつもより多目に採り、家に帰ろうとした時だった。


ズザザザザザ

びくっ
「へ、な、なに!?」


後ろを振り向くと、一人の少年が倒れていた。



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